2010年09月25日

南公園へ

 本日も秋晴れの気持ちのいい一日となった。風は強く雲も多めながら、雨の心配はないらしい。さっそく散歩といきたいところだが、おっとどっこい洗濯をしないといけない。東京本宅より色々言われたのでフトンも干す(笑)。けっこうな手間だ。「専業主夫」は絶対無理だと毎度確信する。

 そうこうしているうちに昼が近付き、夕食のおかずの物色も兼ねた買い物に出掛ける。一応自炊を旨としているので、今日の昼食はざるうどんにする。天ぷらを買って来たうえ、更に頑張ってほうれん草のゴマ和えを作る。といっても、茹でたほうれん草にゴマ和えの素をチューブから搾り出して混ぜるだけ。この程度なら私にだって出来るが、逆に言えば、まぁこれが限界だろうなぁ(笑)。

 かくして散歩は午後の部となる。そうなるとあまり遠出も出来ない。仕方ないので福岡市内の「南公園」にでも行くことにする。ここはまだ行ったことのないエリアである。

 地下鉄七隈線の桜坂駅で降りる。七隈線に乗ること自体、初めてだ。駅の名前の通り、この辺りには南に向けて登る形の坂が多く、南公園というのは坂を登った丘陵地帯の上にある。景色も良いと聞いたので、公園目指してゆるりゆるりと坂を登り始める。かなり曲がりくねった道で、次々に景色が変化していく。

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 南公園というのは単なる公園ではなく、福岡の動物園や植物園が併設されている。公園の北側に本来の公園、南側に動物園、植物園がある。その中を自動車道と散策路が縫うように走っている。

 この前、筥崎宮の方生会へ行った際、県庁近くの「東公園」に行った話を書いた。今回は南公園だが、方角にまつわる公園としては他に「西公園」というのがある。西公園のことは、また散歩で行った際に書こうと思う。では「北公園」というのはないのかということになるが、これはない。どうしてかというと、福岡市の北は海だからである(笑)。

 南公園は丘の上にあるので眺めがいい。福岡市の南北を高い位置から眺望できる。ちなみに、この公園を取り囲む地域は高級住宅地らしい。確かに落ち着いたたたずまいで、並ぶ家には高級感がある。しゃれたケーキ屋、和菓子屋、喫茶、レストランなども道沿いにたくさんあって、如何にも絵になる光景だ。福岡の山の手エリアといったところか。

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 これは展望台から北西側を眺めたところ。中央の背後に見える山は実は島で「能古島(のこのしま)」。右にある山も島で「志賀島(しかのしま)」。これが有名な「漢委奴國王」の金印が堀り出された島だ。両方の島に挟まれて、手前に見えるドームがヤフードームである。

 今度はなかなか見られない南側の景色を遠望しよう。他の場所から市の南側を見ようとしても眺望がきかないのは、おそらくこの南公園があるせいかと思う。

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 中央にデンとそびえるのが、名前だけは聞いたことのある「油山(あぶらやま)」である。標高597mで、山そのものが公園化され、キャンプ場やアスレチック、ハイキングなど、様々なアウトドアの施設が整備されていると聞く。ただ、車がないと行くのは無理なので、当面休日の訪問計画には入っていない。

 さすがにこの歳で動物園に一人で行くのもおかしいので、森の中の散策道をたどりながら麓に向けて下りる。ただ、このまま帰るのも味気ないので、公園の東側に下りて、「野村望東尼」の山荘跡まで足を伸ばすことにした。

 場所は住宅地の中にあるので分かりにくい。幸い、交差点に標識が出ているので、それに沿って歩く。通りの名前も「山荘通り」と付いているところを見ると、望東尼は地元では知られた存在なのだろう。普通の人は知らんと思うが(笑)。

 ゆったりとした高級感のある道を歩いていくと、道路の右側に公園があり、そこが目指す目的地らしい。すぐ奥に藁葺きの民家が見え、これが望東尼の山荘だ。

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 野村望東尼というのはどういう人かというと、1806年生まれの幕末の女流歌人である。元々は福岡藩士の娘で、結婚後夫が亡くなり、仏門に入った。それだけならあまり有名にならなかったかもしれないが、尼になってから幕末の志士たちを支援するようになる。特に長州藩の高杉晋作とは懇意だったとされる。

 自分の山荘に志士たちをかくまったり、密会の場所として提供したりした。やがてそれが福岡藩に知られるところとなり、島流しにされた。彼女を助けたのは高杉晋作で、彼の手引きで島を脱出したあと、福岡には戻らず長州で生涯を閉じたという。

 幕末の志士たちが集まった望東尼の山荘が上に掲げた藁葺きの家で、家の中に上がって室内を見ることが出来る。この家の隣も公園になっており、そこには彼女の胸像もある。

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 さて、ここからは南公園に戻らず、南公園のある丘陵の裾を回りこむようにして桜坂の駅に向かう。南公園を降りた辺りには「浄水」という名前のつく地名が多い。通りの名前にも「浄水通り」がある。これは以前に、南公園の南方に浄水場があったかららしい。

 このまま桜坂駅から地下鉄で帰るというのが素直だが、少々歩き足りないので、桜坂駅を通り過ぎ、次の「六本松」(六本木と間違えやすい名前だ)の駅まで歩く。そして、六本松の交差点をV字型に曲がって「別府橋通り」に入り「護国神社」まで散歩する。これだけで、地下鉄の駅2つ分以上は歩いたことになる。

 さて、護国神社である。これまで見てきた通り、福岡には歴史すらはっきりしないほど古い寺社がいっぱいあるが、この護国神社はそれに比べれば出来立てホヤホヤくらい新しい。創建は明治元年で、もとは別のところにあったと伝えられている。

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 戊辰戦争で亡くなった藩士を祀るために福岡藩が建てたのが始まりらしいが、いわば靖国神社のように、その後戦争で亡くなった兵士が全てここに祀られるようになった。そう言われてみれば、造りがそれらしい(笑)。

 社殿を森が取り囲み、おごそかな雰囲気がある。英霊が眠るにはふさわしい場所だろう。住所も「六本松1-1-1」と最大級の敬意が感じられる(笑)。そして、ここを北側に抜けると福岡城址となる。

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 上の写真は福岡城址側にある護国神社の鳥居だが、見た通り巨大で立派だ。そのうえ木製で、近寄ると圧巻の一言に尽きる。

 あとの道のりは、福岡城址隣の大濠公園を突き切り、地下鉄空港線の唐人町駅に向かう。さすがに相当の距離を歩いたので、大濠公園でベンチに座って一休み。持って来たお茶を飲む。それにしても今日は風が強い。お濠の水面もかなり波立っている。

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 さて、本日の散歩はこれにておしまい。今日も良い散歩だった。
posted by OhBoy at 22:30| 日記