2011年01月30日

冬の定番鍋料理

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 2週続けての東京への出張が終わって、今夕福岡空港に着いた。この週末は、福岡は雪の予報だったし、機内のアナウンスでも「福岡は気温1℃で、時折雪の舞う空模様」なんて言っていたので警戒していたが、着いてみると雪の気配はまるでなし。寒いのは寒いが、空も晴れていたし、飛行機から福岡の夜景がきれいに見えた。

 これで2週続けて週末の散歩をさぼっているが、こちらにいたからといって散歩に出掛けていたかは怪しいものだ。天気の巡り合せが悪いのか、このところ週末になると天気予報に雪マークが出る傾向にある。実際、今にも雨か雪が降りそうな厚い雲に覆われた空模様の日が多いから、出掛けるのにはちょっと躊躇する。

 最近は平日の昼に食事に出掛けるのも億劫になってきた。外に出ると風が冷たいものだから、職場の同僚たちはオフィス街に売りに来る弁当屋で昼食を買い求める人が多い。従って、近隣の食堂はめっきり客足が細っている。これじゃあ商売上がったりだろうなぁ。

 ところで、こんな寒い冬の福岡で名物料理といえば、まず思い出すのはモツ鍋か。これは昼間食べるのには適さないが、夜の宴会にはピッタリで代表的宴会料理だろうなぁ。

 街を歩くと至るところにモツ鍋の看板がある。福岡は魚が新鮮でおいしいから、冬になると魚料理が宴会の代表格かと思っていたら、モツ鍋の方がポピュラーだったのには驚いた。

 モツ鍋のベースは醤油味か味噌味が基本中の基本らしいが、店によっては工夫を凝らした変わりダネのスープも提供しており、長年福岡の人々に愛されて来たのが実感できる。そもそも、夏場からモツ鍋を食べさせる店がたくさんあるのにはビックリした。クーラーかけながらではあるが、最初連れて行かれたときには、どうして夏にモツ鍋なんだといぶかしく思ったものだ。

 モツ鍋といってもモツがメインではなく、むしろ野菜の方が多い気がする。名前からすると高カロリーっぽい印象だが、実際にはカロリー低めで、ビタミン豊富なうえ、コラーゲンがたっぷり含まれていて、健康に配慮した料理らしい。そして、最後にシメで入れるのはちゃんぽん麺というのがこちらの定番。これを食べると、寒い冬でも乗り切れそうな気分になるから不思議だ。

 牛肉の産地というわけでもないのに、どうして福岡でモツ鍋がポピュラーになったのかはよく分からない。昔、石炭産業が隆盛だった頃、筑豊で炭鉱労働者がすき焼きや焼肉を食べていて、その派生でホルモン焼きも食べられるようになり、それが鍋に転じた、と解説してくれた地元の人がいたが、ホントかどうかは知らない。いずれにせよ、遠い昔からモツ鍋が食べられていたわけではないらしく、子供の頃はあまり馴染みのない料理だったという声も聞く。いずれにせよ、広まったのは戦後のことなんだろう。

 福岡は昔からある程度裕福な街だったんだろうから、牛肉系の鍋料理ならモツ鍋じゃなくすき焼きでも良かったんだろうが、何故モツの方がポピュラーになったのかは定かではない。昔から健康志向だったわけでもあるまいし、コラーゲンがもてはやされたのは最近のことだし・・・。

 もう一つ、冬の福岡の鍋物の定番といえば、どういうわけだか水炊きになる。これもまた不思議な話で、鶏肉の産地は福岡ではなく宮崎や鹿児島だ。そのうえ、地元の方の話では、いまや全国銘柄の観がある水炊きの元祖は福岡らしい。ちょっと意外だな。

 こちらも夏場から水炊きがあり、有名店にはそれなりに客が入っている。水炊きというと、沸かした湯に具を入れて炊くというイメージだったが、こちらでは、鶏がらで取った白く濁ったスープで鶏肉と野菜を煮る。このスープが自慢らしく、鶏肉や野菜を入れる前にそのスープだけをまずは飲む。ここがちょっと変わっているなと思う。そして、これがなかなか美味なのである。

 そのあと鶏肉を煮て食べ、野菜、雑炊と進む。専門店で食べたせいか、味の水準が今までイメージしていた水炊きとは違って、かなりうまい。単調な宴会料理という先入観が打ち破られたのは確かだ。やはりスープが決め手なのだろうか。

 ただ、モツ鍋と同じく、どうして鶏肉の産地でもない福岡で水炊きが名物なのかは分からない。福岡県と佐賀県の県境に「三瀬(みつせ)」という山間の集落があり、そこが地鶏の名産地と言われているが、ここが有名になったのよりも、水炊きの方が歴史が古い気がする。

 以前地元の人から聞いたところでは、そもそもは海外の料理の亜流から生まれたらしい。でも正確な起源は良く知らないとのこと。地元の人ほど、自分の街の歴史や名物の由来を知らないものなのだ。まぁ知らなくとも充分おいしいから問題はなかろう。

 最後に、やはり鍋物の王者と言えば、北九州を代表するふぐがチャンピオン級の位置にあるが、そうそう宴会で食べられるものではないので、庶民派の料理じゃあないなぁ。でも比較的安くで食べられる店もあるので、その点は東京に比べて有利か。

 今年の冬は格別寒いらしいから、温かい鍋物でも食べて栄養を付け、何とか乗り切りたいものだ。
posted by OhBoy at 23:04| 日記